
「最近よく寝ても疲れが取れない」「家族にいびきがうるさいと言われる」「日中の眠気がつらい」…そんな方は、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**の可能性があります。
SASとは、寝ている間に呼吸が止まる、もしくは極端に浅くなる状態が何度も繰り返される病気です。医学的には「10秒以上の無呼吸が1時間あたり5回以上起きる状態」が診断基準となります。
多くの方は「太ってる人がなる病気でしょ?」と思いがちですが、実は痩せている方・女性・子どもでも発症することがあるのです。
目次
睡眠時無呼吸症候群の“意外すぎる”原因とは?
肥満だけじゃない!顔の骨格・姿勢も関係?
SASは確かに肥満の方に多いですが、顔の骨格(特に顎の小ささ・後退)や猫背姿勢も無呼吸を招く大きな要因です。
現代人はスマホやPCの影響で、頚椎前傾やストレートネックが進みがち。この姿勢では舌が後方に押し出され、気道を狭くしてしまうのです。
舌の位置と口呼吸の関係
睡眠中、舌が喉の奥に落ち込む「舌根沈下」が起きると、空気の通り道である上気道が狭くなり無呼吸状態に。これは口呼吸や舌筋の弱化とも関係があります。
また、**普段から舌が上顎についていない人(低位舌)**は要注意です。
横隔膜・肋骨の硬さが呼吸を浅くする
姿勢の悪さで胸郭の動きが制限されると、横隔膜がうまく働かず浅い呼吸になります。これにより寝ている間の換気量が低下し、呼吸停止のリスクが高まることも。
特に「反り腰+スウェイバック姿勢」の人は、横隔膜の動きが制限されやすく注意が必要です。
放っておくと怖い!こんな症状が現れたら注意
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日中の異常な眠気・集中力の低下
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記憶力の低下や頭痛、うつ症状
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高血圧・不整脈・心不全など循環器系の病気
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糖尿病リスクの増加
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居眠り運転・作業ミスなどの重大事故の誘因
実際、交通事故を起こしたドライバーの中にSASの人が多いというデータもあります。
“姿勢”と“呼吸筋”を整えると改善する?整体的アプローチ
胸郭の動き・横隔膜の働きに注目
呼吸の主力は「横隔膜」です。ですが、猫背や肋骨の硬さによりその働きが抑えられると、自然と呼吸が浅くなります。
整体では、肋骨まわりの筋膜リリースや胸郭の可動性改善、横隔膜の活性化などを行います。
顎・舌・頚部の筋緊張が無呼吸を招く
舌骨筋群・胸鎖乳突筋・斜角筋といった気道周辺の筋肉の緊張を和らげることで、喉の通り道が広がりやすくなります。
寝る姿勢・枕の高さも重要
仰向けよりも横向き寝が呼吸には適しています。また、枕の高さが合っていないと首が圧迫され無呼吸を助長するので、整体的な寝具アドバイスも効果的です。
セルフチェック!あなたの眠りは本当に安全?
下記のうち、3つ以上当てはまる方はSASの可能性があります。
✅ 毎晩いびきをかく
✅ 朝起きたときに喉が渇いている
✅ 寝汗をかく
✅ 起床時に頭痛や倦怠感がある
✅ 昼間、何度も眠くなる
✅ 家族から「寝てるとき息してなかった」と言われた
✅ 肥満・高血圧・糖尿病がある
整体でできるサポートとは?病院と連携しながらの改善例も
無呼吸症候群は、重症度に応じて医療機関でのCPAP療法やマウスピース治療が必要になります。
しかし、軽症の場合や治療中の補完として、姿勢・呼吸・筋肉アプローチがとても効果的です。
整体では、以下のようなケースでサポート可能です:
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呼吸筋(横隔膜・斜角筋・舌骨筋)の調整
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姿勢改善(猫背・頚椎前傾など)
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寝具や寝姿勢の見直し
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ストレス由来の筋緊張の緩和
まとめ:いびきの裏にある重大なサインを見逃さないで
「たかがいびき」「ただの疲れ」そう思って放置していると、命に関わる疾患へとつながる危険性もあるのが睡眠時無呼吸症候群です。
でも、原因の中には意外にも、日々の姿勢や筋肉バランス、呼吸の浅さなど、整体でアプローチできるものも多く存在します。
いびきや睡眠の質に不安がある方は、まずはセルフチェックを。そして、必要に応じて医療機関との連携を図りながら、根本からの改善を目指しましょう。