ばね指(弾発指)とは、指を曲げたり伸ばしたりする際に、
- 引っかかる
- カクンと動く
- 朝に動かしづらい
- 指の付け根が痛い
といった症状が起こる状態です。特に、
- 母指(親指)
- 中指
- 薬指
によく発症します。進行すると指が曲がったまま戻らなくなることもあります。
目次
なぜ指が引っかかるのか?
指を曲げる腱は「トンネル」の中を通っています。
このトンネルを腱鞘(けんしょう)、
トンネルを押さえているベルトをプーリーと呼びます。
繰り返し負担がかかると、
- 腱が肥厚する
- 腱鞘が厚くなる
- プーリーが硬くなる
ことで通り道が狭くなります。
その結果、腱が通過するときに引っかかり、「カクン」というばね現象が起こります。
ばね指が母指や薬指に多い理由
母指
親指を曲げる長母指屈筋腱は、A1プーリーへ侵入する角度が大きい特徴があります。
そのため摩擦が起こりやすく、ばね指が発症しやすいと考えられています。
薬指
薬指は握る動作で大きな力を発揮します。
特に荷物を持つ仕事や手作業が多い方では、繰り返しストレスが加わりやすくなります。
実は指だけの問題ではない
ばね指になると多くの方は指だけを気にします。
しかし実際には、
- 前腕の筋肉
- 手首の硬さ
- 手のひらの筋肉
が関係していることも少なくありません。
特に、浅指屈筋や深指屈筋と呼ばれる筋肉が硬くなると、常に腱が引っ張られた状態になります。
その結果、腱と腱鞘の摩擦が増え、炎症や肥厚につながる可能性があります。
手の内在筋が弱るとばね指になりやすい理由
手には小さな筋肉がたくさん存在しています。
これらを総称して「内在筋」と呼びます。内在筋には、
- 虫様筋
- 背側骨間筋
- 掌側骨間筋
などがあります。これらが十分に働かないと、浅指屈筋や深指屈筋に頼った握り方になります。
すると腱が骨から浮き上がるような力が発生します。
これは「ボウストリング現象」と呼ばれます。
弓の弦のように腱が張ることで、プーリーとの摩擦が増え、ばね指の原因になると考えられています。
ばね指になりやすい人の特徴
次のような方は注意が必要です。
- パソコン作業が多い
- スマホを長時間使う
- 手作業が多い
- 重い荷物を持つ仕事
- ゴルフやテニスをする
- 指を強く握る癖がある
- 糖尿病がある
- 更年期以降の女性
特に糖尿病の方は発症率が高く、複数の指に起こることもあります。
当院で行う検査
当院では痛い指だけでなく、手全体の使い方を確認します。
例えば、
- 手首の角度
- 手のアーチ
- 指の向き
- 握り方
- 指がどの順番で曲がるか
- 前腕の筋肉の緊張
- A1プーリー周囲の状態
などを評価します。症状の出ている場所だけでなく、なぜそこに負担が集中したのかを確認します。
当院で行う施術
症状に合わせて、
- 前腕の筋肉調整
- 手の内在筋へのアプローチ
- 指関節のモビライゼーション
- 手首や手根骨の調整
- 神経の滑走改善
- 運動療法
などを組み合わせます。特に再発予防のためには、腱だけでなく「正しい手の使い方」を身につけることが重要です。
自宅でできるセルフケア
おすすめは以下の3つです。
① 強く握り続けない
必要以上にペンやスマホを握らないようにします。
② 前腕のストレッチ
手首を反らした状態で指も伸ばし、前腕の筋肉を伸ばします。
③ 指を1本ずつ動かす練習
- MP関節だけ曲げる
- PIP関節だけ曲げる
- DIP関節だけ曲げる
など、指を分けて動かす練習を行います。
病院受診をおすすめするケース
以下の場合は整形外科の受診をおすすめします。
- 指が完全にロックしている
- 強い腫れがある
- 夜間痛が強い
- 日常生活に支障が出ている
- 数か月以上改善しない
症状によっては、
- 装具療法
- ステロイド注射
- 手術
が必要になることもあります。
まとめ
ばね指は単なる腱鞘炎ではありません。
- 前腕の筋肉
- 手の内在筋
- 手首の動き
- 握り方のクセ
などが複雑に関係しているケースもあります。当院では痛みのある指だけでなく、手全体の機能を評価し、再発しにくい状態を目指します。
「朝になると指が動かしにくい」
「注射をしたけど再発した」
「できれば手術は避けたい」
そんな方は一度ご相談ください。

