ばね指が治らない人へ。原因は指だけではないかもしれません

ばね指が治らない人へ。原因は指だけではないかもしれません

朝起きたときに指が引っかかる。

指を曲げると「カクン」と弾けるような感覚がある。

痛みはあるけれど、しばらく動かしていると少し楽になる。

このような症状でお悩みではありませんか?

こうした症状は「ばね指」と呼ばれ、多くの方が経験する手のトラブルのひとつです。

一般的には「指の腱鞘炎」と説明されることが多く、湿布や注射、指だけのマッサージなどを受けている方も少なくありません。

もちろん、指そのものに炎症が起きているケースもあります。

しかし、実際の施術現場では**「指だけを施術しても改善しにくいばね指」**に出会うことも珍しくありません。

ばね指はどんな状態?

指を曲げるための腱は「腱鞘(けんしょう)」というトンネルの中を滑るように動いています。

その入口にある「A1プーリー」という部分で腱の動きが悪くなると、スムーズに滑れなくなり、引っかかりや弾発現象が起こります。

朝に症状が強く、日中になると少し動かしやすくなるという方が多いのも特徴です。

指だけが原因とは限りません

ばね指の方を詳しく検査すると、指だけではなく前腕や肘、肩周囲まで硬くなっていることがあります。

例えば、

  • パソコン作業が多い
  • マウスを長時間使用する
  • 手首が内側や外側へ偏った状態で作業している
  • 腕全体が疲れやすい

このような生活が続くと、前腕の筋肉に負担が蓄積し、腱の滑りにも影響を与えます。

さらに、その状態を放置すると肘の外側に痛みが出る「テニス肘」を併発しているケースもあります。

「指が痛いと思っていたら、実は肘にも負担がかかっていた。」

これは決して珍しいことではありません。

身体はすべてつながっています

腕の筋肉は肘を越え、肩や首へとつながっています。

肩の前側にある筋肉(小胸筋など)が硬くなると、腕全体の動きが悪くなり、前腕への負担が増えることがあります。

その結果、指の腱にも余計なストレスが加わり、ばね指が改善しにくくなることもあります。

つまり、

「指が悪い」のではなく、

腕全体の動きが悪くなった結果として、指に症状が現れている。

そんなケースも少なくありません。

当院では痛みのある指だけではなく、

  • 指の動き
  • 腱の滑走性
  • 前腕の筋肉
  • 肘の状態
  • 肩や首の動き

まで確認しながら、症状の背景を丁寧に評価しています。

痛い場所だけを施術するのではなく、「なぜそこへ負担が集中したのか」を考えることが、改善への近道になると考えているからです。

実際にあったばね指の症例

先日、65歳の男性が「朝になると中指が引っかかる」というお悩みで来院されました。

お仕事ではパソコンを使う時間が長く、普段から手首をやや尺屈した状態で作業することが多いとのことでした。

検査を行うと、中指のA1プーリー付近で腱の滑りが悪くなっており、触診ではコリコリとした引っ掛かりを確認しました。また、薬指にも同様の所見がみられました。

さらに詳しく確認すると、中指伸展テストで痛みが誘発され、前腕の総指伸筋には強い圧痛がありました。肘の外側にも負担がかかっており、いわゆるテニス肘の状態も認められました。

このケースでは、指だけではなく前腕全体の負担が積み重なり、腱の滑走性が低下した結果として、ばね指が生じていると考えました。

当院ではどのような施術を行うのか

当院では、まず痛みのある指だけを施術することはありません。

もちろんA1プーリー周囲の滑走性は丁寧に確認しますが、それだけでは十分ではないと考えています。

前腕の筋肉や肘の状態を評価し、必要に応じて肩や首まで含めて動きを確認します。

身体は一つにつながっているため、どこか一か所だけを整えても、負担の原因が残っていれば再び症状が出てしまう可能性があります。

実際、この患者様もA1プーリー周囲の滑走性を改善しながら前腕や上肢全体を調整したことで、中指の引っ掛かりは施術後にはスムーズになり、動きも大きく改善しました。

もちろん、すべての方が一度の施術で改善するわけではありません。

しかし、「なぜそこへ負担が集中したのか」を一緒に探していくことで、再発しにくい身体づくりにつながると考えています。

ご自宅で意識したいこと

ばね指の方は、症状がある指だけを動かすことに意識が向きがちです。

しかし、日常生活では次のようなことも大切です。

・長時間同じ姿勢でパソコン作業を続けない

・手首を極端に曲げた状態でマウス操作をしない

・前腕の筋肉を軽くストレッチする

・肩や胸まわりを動かす時間をつくる

これらを意識するだけでも、手や指への負担は変わってきます。

指だけを診ても改善しないことがあります

ばね指は「指の病気」と思われがちですが、実際には前腕や肘、肩などが影響しているケースも少なくありません。

そのため、指だけを繰り返し施術しても思うように改善しないことがあります。

当院では、痛い場所だけを見るのではなく、

「なぜその指に負担が集中してしまったのか」

という視点を大切にしています。

もし、

・朝だけ指が引っかかる

・湿布やマッサージで変化が少ない

・ばね指と一緒に肘や腕の疲れも感じる

このようなお悩みがありましたら、一度お気軽にご相談ください。

原因を一緒に整理しながら、改善を目指していきましょう。

 

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