
「まるで目の奥をキリで刺されているような頭痛」「片側だけがズキズキして、涙まで出てくる」――そんな経験はありませんか?
これはいわゆる「群発頭痛」と呼ばれる、非常に強い痛みを伴うタイプの頭痛です。
群発頭痛は一度出ると毎日のように同じ時間に現れ、しかも痛みが強烈。薬を飲んでもなかなか効かず、仕事や生活にも支障をきたすほどの辛さです。
この群発頭痛、実は「首」や「肩」の“ある場所”に潜む「こり」が、引き金となっている可能性があるのです。
今回は、そんな意外な原因にスポットを当て、日常生活のクセや自分でできるケア方法までをわかりやすくお届けします。
目次
群発頭痛とは?
群発頭痛は片側の目の奥やこめかみに激しい痛みが走るのが特徴です。痛みは30分〜3時間ほど続き、それが1〜2ヶ月、ほぼ毎日起こるというケースもあります。
まさに“えぐられるような痛み”。市販の頭痛薬では歯が立たず、痛みが始まるとじっとしていられなくなり、頭を抱えてうずくまる人も少なくありません。
片側だけ、しかも目の奥が痛む…これが群発頭痛の特徴
群発頭痛は「片側性」であることが多く、目の奥・こめかみ・頬骨のあたりなど、ピンポイントで強い痛みを感じます。また、痛みと一緒に涙が出たり、鼻が詰まったりすることも特徴です。
神経系の働きが深く関係していると考えられており、主に「三叉神経」や「自律神経」が関与しています。
しかし、これらの神経は「首の深部」や「胸の上部の筋肉」と密接に関係していることは、あまり知られていません。
意外と知られていない「首と肩のこり」との関係
「頭が痛いからといって、頭だけを見ていては原因が見つからないことがある」
これは私たち施術者がよく実感することです。
群発頭痛のような強い痛みが出るとき、実はその前から「首の奥」「肩の前側」などに、気づかないうちに強いコリや緊張が蓄積していることが多いのです。
これらの緊張が、頭と目の奥へつながる神経や血管を圧迫したり、刺激したりすることで、痛みの“スイッチ”が入るのではないかと考えられます。
目の奥とつながる神経は、首の深いところを通っている
たとえば「三叉神経」や「大後頭神経」は、首の骨のすぐ近くや、後頭部・側頭部の筋肉の中を通っています。
これらの神経が、首の深い筋肉や肩まわりの硬さによって圧迫されれば、結果として目の奥や側頭部に痛みを飛ばすのは不思議ではありません。
原因は“姿勢のクセ”にあるかもしれません
スマホを長時間のぞき込む、パソコン作業でうつむく時間が多い──このような「前かがみの姿勢」が、首の筋肉を常に緊張させます。
特に、首の前側やあごの下にある筋肉が固くなると、頭が前に突き出し「ストレートネック」状態になりやすく、神経や血管を圧迫しやすい条件がそろってしまいます。
呼吸が浅くなると、頭に酸素が届きづらくなる?
前かがみ姿勢が続くと、胸が閉じて呼吸も浅くなります。
呼吸が浅い状態では、脳への酸素供給が低下するだけでなく、首や肩の筋肉が呼吸の“代わり”をしようとして余計に緊張します。
この悪循環が、頭痛の引き金になる可能性があるのです。
こんなサインが出ていたら要注意
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頭痛の前に「喉の詰まり」や「飲み込みにくさ」を感じる
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同じ側の肩ばかりにバッグをかけている
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顎の下(首の前)に指を入れると、痛みやかたさがある
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息を吸い込んでも、胸がうまく膨らまない
これらのサインは、首・肩・胸の筋肉が過緊張している証拠かもしれません。
そしてその緊張が、目の奥にある神経へと“影響を飛ばして”いることもあるのです。
まずはここから!自分でできるケア方法
① あごの下をやさしくマッサージ
指先であごの裏(喉ぼとけの外側)をやさしく押してみましょう。軽く円を描くようにマッサージします。痛気持ちいい程度でOK。
ここが固くなると、舌や喉の筋肉が緊張し、首の深部の圧迫が起きやすくなります。
② 首の横をじっくり伸ばすストレッチ
椅子に座ったまま、右手を頭の左側に添え、ゆっくりと右へ倒して左の首すじを伸ばします(反対も同様)。
呼吸を止めず、20秒ほどキープすると効果的です。
③ 胸をひらいて深呼吸を習慣に
壁に両手を当てて胸を開いた状態で立ち、鼻から吸って口からゆっくり吐く「深呼吸」を5回繰り返します。
これだけでも胸の前側(小胸筋や肋間筋)がゆるみ、呼吸がしやすくなり、首の負担が軽減します。
おわりに
群発頭痛のような強い頭痛は、単に「頭だけの問題」ではありません。
実は、首や肩、胸の深部にたまった“こり”や“姿勢のクセ”が、知らないうちに神経や血管を圧迫し、「目の奥の痛み」として表れていることも多いのです。
今ある痛みを軽くするために、そして再発を防ぐために。
まずは日常の姿勢や呼吸、そして首・肩・胸のやさしいセルフケアから始めてみませんか?
症状が強い場合や慢性的に続いている場合は、ぜひ当院にご相談くださいね。