
「最近、夜中に何度も目が覚めてしまう…」「ぐっすり眠れた感じがしない」そんな睡眠の悩みを抱えている人は多くいます。実はその原因のひとつに、気象の変化、特に低気圧の影響があることをご存じでしょうか?
梅雨や台風の時期になると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたり、翌朝まで眠気が残るといった不調を感じる方が急増します。これらの症状は単なる「気のせい」ではなく、体が天気の影響を受けている可能性があるのです。
この記事では、低気圧によって夜中に目が覚めやすくなる理由を5つに分けて解説し、それに対するセルフケアの方法もご紹介します。
目次
理由①:低気圧で自律神経が乱れやすくなる
私たちの身体は「交感神経」と「副交感神経」という2つの自律神経によって、活動と休息のリズムがコントロールされています。
ところが、気圧が下がることでこの自律神経のバランスが崩れやすくなるのです。低気圧が近づくと、交感神経が優位になりやすく、体は「戦闘モード」に入り、リラックスするための副交感神経が働きづらくなります。
その結果、
-
寝つきが悪くなる
-
眠りが浅くなる
-
ちょっとした物音で目が覚める といった状態が起こりやすくなります。
特に、慢性的なストレスや疲労を感じている人ほど、自律神経の乱れに敏感で、低気圧の影響を受けやすい傾向があります。
理由②:気圧の変化が内耳を刺激し、覚醒反応が起こる
低気圧と体調不良の関係でよく知られているのが「気象病」や「天気痛」といった症状です。これらの多くは、耳の奥にある“内耳”の気圧センサーが敏感に反応することが原因とされています。
気圧が変化すると、内耳がその情報を脳に伝達し、自律神経やホルモン分泌に影響を与えます。その結果、
-
吐き気や頭痛
-
だるさやめまい
-
寝ている間の覚醒 といった症状が出やすくなります。
特に、夜間は自律神経が副交感神経優位に切り替わる時間帯ですが、気圧の急激な変化があると、体が「異常事態」として反応し、眠っている最中でも交感神経が刺激され、目が覚めやすくなるのです。
理由③:脳の酸素不足で浅い眠りが続く
低気圧の影響で空気中の酸素濃度がわずかに下がると、人の体は「酸素不足」と感じやすくなります。
特に睡眠中は呼吸が浅くなりやすいため、脳が十分な酸素を受け取れず、眠りが浅くなる原因になります。これにより、
-
夢を頻繁に見る(レム睡眠の乱れ)
-
ちょっとした刺激で目が覚める
-
朝起きたときに疲れが取れていない といった現象が起こりやすくなります。
酸素不足に敏感な人は、心臓や呼吸器の働きにも微妙な乱れを感じ、不眠症状が強く現れる傾向があります。
理由④:副交感神経が過剰に働き、日中に眠くなる
一見すると「リラックスモード」である副交感神経が働くことは良いことのように思えます。しかし、低気圧が続くと体が常に重だるくなり、副交感神経が過剰に優位になりすぎてしまうことがあります。
この状態では、
-
昼間に眠くなる
-
活動量が減る
-
身体が常に省エネモードになる といった状態になり、夜に眠れなくなる悪循環を生み出します。
「昼寝をしたわけでもないのに夜に眠れない…」と感じる人は、低気圧による自律神経のアンバランスが関係しているかもしれません。
理由⑤:気圧の低下が体の重だるさ・不快感を引き起こす
低気圧が続くと、体内の水分バランスや血行にも影響を与えます。そのため、筋肉や関節がこわばったり、むくみやだるさが強く出たりすることがあります。
こうした身体的不快感があると、
-
寝返りのたびに目が覚める
-
同じ姿勢でいると痛みが出る
-
体が落ち着かず、眠りが浅くなる といった影響が出やすくなります。
特に、肩こり・首こり・背中の張りがある人は、低気圧の影響をより強く受けやすい傾向にあります。
低気圧不眠を改善するためのセルフケア3選
夜中に目が覚めてしまう低気圧由来の睡眠障害を改善するには、「自律神経」と「身体のこわばり」の両方を整えることがカギです。以下のような簡単なセルフケアを取り入れてみましょう。
① 呼吸を深くする胸郭ストレッチ
-
寝る前に、腕を大きく広げて深呼吸を5回繰り返す
-
胸の前やわき腹を軽く伸ばす → 呼吸が深くなり、副交感神経がスムーズに働く
② 耳のマッサージ(内耳刺激を和らげる)
-
両耳を軽く引っ張ったり、くるくる回したりする
-
耳の後ろを指で優しく押す → 内耳の圧力を緩和し、覚醒反応を抑える
③ 足裏ほぐしで体の重心を整える
-
ゴルフボールやツボ押し棒で土踏まずを軽く刺激
-
足指を動かして血行促進 → 身体の安心感(体性感覚)を高め、入眠を助ける
まとめ|夜中に目覚める原因を「天気」から見直そう
「夜中に何度も目が覚める…」そんな睡眠の悩みには、意外にも気象=低気圧が深く関係しています。
-
自律神経の乱れ
-
内耳の過敏反応
-
酸素不足
-
体のこわばりやむくみ
これらが複合的に絡み合い、睡眠の質を低下させているのです。もちろん生活習慣やストレスも大きな要因ですが、気圧の影響を「見える化」して意識することで、根本的な改善のヒントが見えてきます。
「寝具を変えても眠れない」「睡眠サプリが効かない」そんな方こそ、一度“天気と身体の関係”に目を向けてみてください。整体やセルフケアの力で、あなたの眠りはもっと深く、心地よいものになるはずです。