「しびれ」という症状は、神経や血流のどこかに障害があるサインです。
顔の場合は主に三叉神経(脳神経の一つ)や上位頚椎の神経根が関わり、胸の場合は**肋間神経や腕神経叢(C8〜T1)**が関わります。
つまり、顔と胸のしびれが同時に出る場合、
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脳や脊髄の中枢レベルで障害がある
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首(頚椎)や胸郭周囲で複数の神経が影響を受けている
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心臓や血管など循環系のトラブルが背景にある
といった複数の可能性を考える必要があります。
一見「ただのしびれ」でも、体からの重要なSOSサインであることが多いのです。
目次
整体で多い原因:首(頚椎)や胸郭出口からの神経圧迫
整体の現場でよく遭遇するのは、筋肉や骨格の歪みによる神経圧迫です。
1. 頚椎性のしびれ
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頚椎(特にC3〜C7)の歪みや椎間板の狭小化
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斜角筋・胸鎖乳突筋の過緊張
これらによって神経が圧迫されると、顔〜胸に違和感やしびれが広がることがあります。
2. 胸郭出口症候群
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鎖骨と第一肋骨の間や、小胸筋の下を神経が通過する際に圧迫される状態。
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鎖骨下〜胸のしびれだけでなく、手や腕まで症状が出ることもあります。
3. 肋間神経絞扼
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猫背姿勢や呼吸の浅さにより肋骨間の筋肉が緊張すると、肋間神経が圧迫され「胸のしびれ」として感じられます。
このあたりは整体で改善可能なケースが多く、姿勢改善や筋肉のリリースで症状が軽減することがよくあります。
心臓や脳の病気が隠れていることもある ― 見逃せない危険信号
しかし注意が必要なのは、顔と胸のしびれが同時に出るときには命に関わる疾患が隠れている可能性があるという点です。
1. 脳梗塞・TIA(一過性脳虚血発作)
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顔の片側+胸や腕のしびれを同時に伴うことがある。
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ろれつが回らない、視覚障害、片麻痺を伴う場合は緊急性が高い。
2. 狭心症・心筋梗塞
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胸のしびれ・圧迫感と同時に、顎や顔に放散する痛みやしびれが出ることがある。
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特に動いたときや夜間に起きる胸のしびれは要注意。
3. 大動脈解離
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激しい胸痛やしびれと同時に、顔の血流にも異常が出ることがある。
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命に関わるため、強い症状が出たらすぐ救急要請が必要。
整体の現場でも「これは施術ではなく病院に送るべき」と判断するケースがあり、この見極めが非常に重要になります。
整体でチェックできるポイントとセルフケアの工夫
整体でアプローチ可能な場合には、以下のチェックとケアが有効です。
チェックすべき部位
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頚椎の可動域(前後・左右回旋・側屈)
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鎖骨下・小胸筋周囲の圧痛や硬さ
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呼吸時の肋骨の動き(左右差・硬さ)
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姿勢(猫背・巻き肩・頭部前方位)
セルフケア例
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胸郭ストレッチ:胸を開き、深呼吸を繰り返す。
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首の軽いストレッチ:側屈・回旋を無理のない範囲で行う。
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肩甲骨はがし体操:肩を大きく回すことで鎖骨下の圧迫を軽減。
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姿勢リセット:デスクワークの合間に立ち上がり、体を伸ばす。
これらを取り入れるだけでも、神経圧迫が減りしびれが和らぐことがあります。
すぐに医療機関を受診すべきサインとは?
次のような症状を伴う場合は、整体ではなくすぐに医療機関へ。
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顔と胸のしびれが急に出た
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片側の手足にも同時にしびれや麻痺がある
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言葉が出にくい・視覚障害・強い頭痛がある
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胸の圧迫感、冷や汗、動悸を伴う
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深呼吸や体位変換では改善しない
これらは脳卒中や心疾患の前触れである可能性が高いため、放置せずに救急外来を受診することが命を守る行動になります。
まとめ:顔+胸のしびれは体のSOSサインと考えよう
顔と胸が同時にしびれる場合、単なる首や姿勢の問題だけでなく、脳や心臓の疾患が隠れていることがあります。
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整体で対応できるのは「姿勢や筋緊張による神経圧迫」
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医療機関に任せるべきは「脳梗塞・心疾患など生命に関わるもの」
しびれは「一時的だから大丈夫」と思い込みやすいですが、実際には体が出している重要な警告サインです。
顔と胸のしびれを感じたら、まずは冷静にセルフチェックを行い、少しでも危険な兆候があれば迷わず医療機関を受診しましょう。
整体と医療、それぞれの役割を正しく使い分けることで、あなたの健康を守ることができます。
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