病院で「異常なし」と言われた腰痛の本当の原因は?4つのタイプ別に解説

腰が痛くて整形外科を受診したのに、「骨には異常ありませんね」と言われて湿布と痛み止めだけもらって帰ってきた――

そんな経験はありませんか?

実はこのような腰痛、日本人の腰痛の85%以上が該当する「非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)」と呼ばれるもの。

つまり、レントゲンやMRIなどでは「はっきりと原因が映らない腰痛」のことです。

でも、だからといって原因が“ない”わけではありません。

見えにくいだけで、筋肉・関節・椎間板などの異常な働き方が痛みを生んでいるケースがほとんどなのです。

今回は、そんな非特異的腰痛を4つのタイプに分けてわかりやすく解説していきます。

原因が映らない腰痛の4タイプとは?

【タイプ1】筋筋膜性腰痛

長時間の同じ姿勢、疲労の蓄積、運動不足や逆に使いすぎ…。

これらが原因で筋肉や筋膜(筋肉を包んでいる膜)が緊張しすぎたり、硬くなったりして起こる腰痛です。

  • 朝起きたときや、長時間座った後に腰が痛くなる

  • ストレッチをすると少し楽になる

  • 押すと痛い「コリ」のような部分がある

こんな症状がある方は、筋筋膜性腰痛の可能性が高いでしょう。

【タイプ2】椎間関節性腰痛

腰の骨(腰椎)の後ろ側にある「椎間関節」が原因となる腰痛です。

関節の動きすぎ(不安定)や動かなすぎ(固まり)で痛みが出ます。

  • 腰を反らすと痛い

  • 長時間立っていると痛くなる

  • 一度痛くなると動き出しがツラい

特に、背骨をよく使うお仕事(介護・看護・保育・美容師など)をしている方に多いタイプです。

【タイプ3】仙腸関節性腰痛

骨盤の後ろにある「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」の動きが乱れて生じる腰痛です。

妊娠・出産後の女性、片足に体重をかけるクセのある方などに見られやすいです。

  • お尻や太もも裏まで痛むことがある

  • 片側だけが痛む

  • 仰向けや横向きで寝ると痛みが強くなる

仙腸関節はわずか数ミリしか動かない関節ですが、ここがズレるだけでかなり強い痛みが出る場合があります。

【タイプ4】椎間板性腰痛

背骨のクッション「椎間板(ついかんばん)」にかかる圧力によって痛みが出るタイプです。

椎間板ヘルニアほど重症でなくても、軽い損傷や変性が原因となります。

  • 前かがみになると痛い

  • 座っている方が立っているより痛い

  • 動き始めると少しマシになる

長時間のデスクワークや猫背の姿勢が続いている人に多く見られます。

タイプ別のセルフチェック方法

では、自分の腰痛がどのタイプなのか、簡単にチェックする方法はあるのでしょうか?

実は、動作や姿勢、痛みの出るタイミングを確認するだけでもおおよその見当はつきます。

チェックポイント 該当しやすい腰痛タイプ
朝や夕方に腰が重だるい 筋筋膜性
反ると痛い 椎間関節性
片側のお尻や脚が痛い 仙腸関節性
前かがみがつらい 椎間板性

もちろん、正確な判断には専門家の評価が必要ですが、ご自身のセルフケアの方向性を知る上ではとても役立ちます。

腰痛タイプに合った対処法とは?

痛みの原因によって、行うべきストレッチやケア方法はまったく違ってきます。

むしろ、間違ったケアを続けることで悪化してしまうケースも少なくありません。

例えば…

  • 筋筋膜性:温める・ストレッチする・軽く動かす

  • 椎間関節性:体幹を安定させるトレーニングが有効

  • 仙腸関節性:骨盤のバランス調整や左右差の改善

  • 椎間板性:無理に前屈せず、姿勢の見直しが大事

つまり、「なんとなくストレッチ」「とりあえず湿布」では改善が遠のくばかり。

自分の腰痛タイプを知ることが、正しいアプローチの第一歩になるのです。

まとめ:自分の腰痛タイプを知ることが、最短の改善ルートになる

腰痛に悩む方の多くが、「病院で異常なしと言われたのに痛みが消えない」と困っています。

でも、原因が“ない”のではなく、“見えにくい”だけなのです。

筋肉、関節、椎間板、骨盤まわり――

これらのどこに問題があるのかを丁寧に見極めることで、あなたの腰痛はもっと早く、もっと正しく改善できる可能性があります。

そして、あなたの腰痛がどのタイプかを把握し、それに合った施術やセルフケアを選ぶことが最も重要です。

当院では、一人ひとりの腰痛タイプを丁寧に見極め、オーダーメイドで施術とセルフケアのアドバイスを行っています。

「もう治らないかも…」とあきらめる前に、ぜひ一度ご相談ください。

あなたの腰痛の“本当の原因”、一緒に探していきましょう。