「痛い整体のほうが効くんですか?」
これは現場でよく聞かれる質問です。
結論から言えば──
痛い=効く、ではありません。
正確には 「その人の状態に合った刺激量かどうか」 が体の変化を決めます。
ここでは、なぜ“痛いと効いた気がする”のか、科学的な理由と、逆に悪化するケースまでプロの視点で整理していきます。
目次
◆1. なぜ「痛い=効く」と感じるのか?
人が痛みを感じると、脳では ノルアドレナリンやエンドルフィンが分泌 されます。
これらは一時的に“スッキリ感”や“軽くなった感じ”を作ります。
つまり、
痛さ → 脳が興奮 → 一瞬だけ爽快感が出る → 効いた気がする
という流れが起きているだけのケースが多い。
これは施術効果ではなく、脳の生理反応による“錯覚”です。
◆2. 強刺激が逆効果になる3つのパターン
①筋膜や腱に炎症がある場合
炎症部位に強い圧を加えると、線維がさらに傷つき痛みが長引く原因 になる。
②自律神経が過緊張の人
強刺激は交感神経をさらに高め、
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呼吸が浅くなる
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体が緊張し続ける
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疲労が抜けにくい
という悪循環に入る。
③筋肉が“守り”の状態にある人
過去のケガや姿勢の癖で、筋肉が過敏化している場合、強い刺激は反射的に力が入り逆効果。
◆3. 実際に体を変えるのは「適切な刺激量」
痛みは結果を示す指標にはなりません。
体を変えるのは、
腱滑走・筋膜の滑り改善・微細な癒着の解除
など“組織の動き”です。
こうした深層の改善は、
強さより方向・角度・繊維の質感の読み取り
が重要になります。
たとえば後脛骨筋や長趾屈筋のように深い層の筋は、
強い押圧では届かず、逆に周囲が緊張して邪魔してしまう。
正しい刺激の入れ方は
痛みが少なくても深部はしっかり変わる
という性質があります。
◆4. 痛い整体が向かない人の特徴
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呼吸が浅い/ストレスが強い
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寝ても疲れが残る
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首や肩が慢性的にガチガチ
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スポーツや筋トレ後、炎症が起こりやすい
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触られるとすぐ力が入る
こういう人は、強い刺激ほど体が防御し、改善から遠ざかりやすい。
◆5. プロが見ている「良い施術」のポイント
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施術後に呼吸が深くなる
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力を抜きやすくなる
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動きが滑らかになる
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翌日・翌々日も体が軽い
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体の反応を確認しながら強さを調整している
これらは“痛みの強さ”とは全く関係ない。
むしろ、良い整体ほど「思っているより痛くない」が普通です。
◆まとめ:選ぶべき基準は“痛み”ではなく“変化”
痛い整体が効くわけではなく、
体に合った刺激が変化を作る。
その場の爽快感より、
翌日・翌週の動きの軽さ
これを基準に選ぶのが間違いないです。
気になる不調や「どんな整体が自分に合っているのか分からない」という方は、気軽にご相談ください。あなたの体の状態を見ながら、過度な刺激に頼らない最適な施術プランをご提案します。

