投球動作は4つのフェーズに分けられる
野球の投球動作は、大きく次の4つのフェーズに分けて考えることができます。
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ワインドアップ期(準備動作)
体重を片足に乗せてバランスをとり、投球の準備をする段階。 -
コッキング期(肩を大きくひねる動作)
腕を後ろに引き、肩や肘に大きなひねり(外旋)が加わる。 -
加速期(ボールを前に投げ出す瞬間)
体幹や下半身の力を腕に伝え、一気にボールを前に押し出す。 -
フォロースルー期(投げ終わりの動作)
投げ切った後に、全身の勢いをコントロールしながら減速していく。
この流れの中で、肘には「内側を引っ張る力」と「外側を押しつぶす力」が加わります。
肘の内側に負担がかかるのはどの瞬間?
内側にストレスが集中するのは、コッキング期から加速期にかけてです。
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ボールを投げる瞬間、肘には外反ストレス(外に開こうとする力)が強く働きます。
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その結果、肘の内側では 屈筋群の付着部や 内側側副靭帯 が強く引っ張られます。
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成長期では、骨がまだ柔らかいため 骨端線(成長軟骨)が剥がれるような障害、いわゆる「リトルリーグ肘」も起こりやすくなります。
👉 内側の痛みは「引っ張られることによる障害」と覚えておくと分かりやすいです。
肘の外側に負担がかかるのはどの瞬間?
一方、外側にストレスがかかるのは、加速期からフォロースルー期にかけてです。
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外反ストレスが加わると、内側が引っ張られるのと同時に、外側は骨同士がぶつかって圧迫されます。
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特に、上腕骨小頭と橈骨頭の間に強い圧力がかかります。
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これにより、成長期では 離断性骨軟骨炎(OCD) や 関節軟骨の損傷が生じやすくなります。
👉 外側の痛みは「押しつぶされることによる障害」と理解しておくと良いでしょう。
なぜフォームだけではなく全身の連動が大事なのか?
肘の内側や外側に負担が集中するのは、フォームの問題だけではありません。
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下半身の力がうまく上半身に伝わらないと、その分を肩や肘でカバーしてしまいます。
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骨盤や肩甲骨の動きが制限されていると、肘が余計な負担を背負うことになります。
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投球は「全身の連動動作」なので、肘だけに注目しても根本的な解決にならないことが多いのです。
整体では、骨盤や肩甲骨、体幹の動きを整えることで、肘や肩への負担を分散させるサポートが可能です。
まとめ:肘を守るためにできること
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投球動作の中で、内側は引っ張りストレス、外側は圧迫ストレスがかかる。
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フォーム改善は大切だが、全身の連動性を高めることが肘の保護につながる。
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セルフケアやトレーニングに加えて、整体で体の土台を整えることも有効。
👉 「投球フォームを直しているのに肘の痛みが取れない…」という場合は、全身の連動をチェックすることをおすすめします。
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