「歩くとすぐ足が疲れる」「土踏まずが痛い」「外反母趾が気になる」…そんなとき、多くの人はまず「インソールを入れてみよう」と思うのではないでしょうか?
もちろんインソールは衝撃を和らげたり、土踏まずを支えたりする役割があります。
ただし、それだけで根本的な解決につながるとは限りません。
実は「足の親指の付け根(MP関節)がちゃんと動いていないこと」が、不調の原因になっているケースも多いんです。
「MP関節」ってなに?
「MP関節」というのは、足の指の付け根にある関節のこと。特に親指の付け根は歩くときにとても大切な役割をしています。
人は歩くとき、かかとから着地し、体重を土踏まずや足の外側に移し、最後に親指の付け根で地面を押して前に進みます。
このとき親指は およそ60度くらい反らす動き が必要です。
でも、この動きが硬くなっていると「蹴り出し」がうまくできず、歩くときの推進力が落ちてしまいます。
その分、足の外側に負担がかかり、足だけでなく膝や腰にまで悪影響が広がってしまうのです。
つまり、MP関節は 「歩くときの最後のカギ」。ここがスムーズに動かないと、体全体のバランスが崩れてしまうのです。
MP関節が動かないとどうなる?
親指の付け根が動かないと、体にこんな変化が起こります。
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歩幅が小さくなる
→ 蹴り出しができないので、ちょこちょことした歩き方になり、疲れやすくなります。 -
外側に体重がかかる
→ 足の小指側やかかとの外側ばかりに体重がかかり、タコや魚の目ができやすくなります。 -
膝や腰の負担が増える
→ 足でうまく押せない分、膝や腰が代わりに頑張るので、膝痛や腰痛につながることもあります。 -
姿勢が崩れやすくなる
→ 歩くときに腰や上半身でバランスをとろうとして、猫背や反り腰が強くなることもあります。
たった一つの関節が硬いだけで、こんなに全身に影響が出てしまうんです。
自分のMP関節をチェックしてみよう
「自分は大丈夫かな?」と思ったら、次の方法で確認してみましょう。
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親指を上に反らしてみる
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イスに座り、親指を上に反らしてみます。
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だいたい60度くらい(ペットボトルのキャップ半分を立てた角度)が目安です。
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片足立ちで親指に体重をのせてみる
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親指にしっかり力が入って、ふらつかずに立てるかチェック。
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歩くときに意識してみる
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歩行中に「親指で地面を押している感覚」があるかどうか。
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踵や小指側ばかり使っているなら注意が必要です。
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簡単にできるMP関節のケア
MP関節は、ちょっとした体操で少しずつ動きを取り戻すことができます。
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タオルギャザー
床にタオルを置き、親指でたぐり寄せる。足裏の筋肉を鍛える効果あり。 -
親指タップ
座ったまま、かかとを床につけて親指だけをトントン上下に動かす。指の独立した動きを作る。 -
内股カーフレイズ
つま先を少し内側にして、かかとを上げ下げ。親指側で体重を支える練習になる。 -
3点荷重の片足立ち
親指・小指・かかとの3点に体重を分散させて片足立ち。正しいバランスを覚えることができる。
1日5分でも続ければ、足の使い方が変わってきます。
インソールは「補助輪」と考えよう
ここで大事なのは、インソールが「悪い」ということではありません。
むしろ衝撃吸収や足のサポートにはとても役立ちます。
ただ、MP関節が固まったままでは、どんなに良いインソールを使っても「本来の蹴り出し」にはつながりません。
インソールはあくまで 補助輪のようなもの。
まずは自分の足をしっかり動かせることが大切です。
まとめ
足が疲れると「靴」や「インソール」を見直す人は多いですが、実はもっと大切なのは 足の親指の付け根(MP関節) です。
ここがしっかり動くことで、歩き方が変わり、姿勢が整い、全身がラクになります。
反対に、ここが固まっていると、いくら靴を替えても根本的な解決にはつながりません。
インソールに頼る前に、まずは自分の足を動かす習慣を作ってみましょう。
それこそが「本当の意味での土台づくり」への第一歩になります。
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