整体師の視点から解説
姿勢を整えたい。肩こりや首の重さをどうにかしたい。
多くの方がその願いを持って、整体院を訪れます。
でも中には、こう感じたことのある人もいるはずです。
「施術直後はいいんだけど、すぐ元に戻っちゃう」
「姿勢を意識しても、長くキープできない」
実はその違い、“意識の差”ではありません。
“戻る人”と“戻らない人”の差は、身体の使い方や構造のクセに深く関係しています。
「まっすぐ立つ」は意識ではなく“支え方”
よく、「胸を張って背筋を伸ばして」と言われますよね。
でもそれが逆効果になってしまうケースも多いんです。
たとえば首が前に出てしまっている方。
これは胸椎のアライメントが崩れ、本来“背骨”が担うはずの頭の重さを、首や肩で支えてしまっている状態です。
この支え方を変えないまま「姿勢を意識」しても、すぐに疲れてしまう。
結果、元の状態に戻ってしまうんです。
症例:首の重だるさと姿勢改善の関係
あるリピーターの方。以前は肩が強く内巻きになり、
肩甲挙筋が伸びきって緊張し、肩周りがいつも重いという状態でした。
継続的な施術の結果、姿勢は安定。
ただ、大雨の日に「首と肩がまた重くなった」との訴えがありました。
カウンセリングと写真で確認すると、
首が再び前に出ていて、胸椎のアライメントがわずかに崩れているのがわかりました。
「耳の下に身体を持ってくる」という再教育
この方には、こう伝えました。
「頭の重さは、肩じゃなく骨で支えるのが自然です」
「そのためには“耳の下に身体を持ってくる”感覚を意識してみてください」
これはただの意識づけではなく、構造そのものの再教育です。
支え方が変わることで、無意識の力みも減り、筋肉が自然にゆるみはじめます。
姿勢改善の鍵は「骨で支える感覚」
当院では、こういったアライメントの微細なズレを、
脊柱・仙腸関節・頭蓋・上肢といった複数のポイントから総合的に整えています。
「まっすぐ立つ」ことがゴールではなく、
“まっすぐをラクにキープできる身体”をつくることが本当のゴールです。
もしあなたが…
- 意識しても姿勢がすぐに崩れる
- 肩や首がいつも重だるい
- 雨や気圧の変化で調子が落ちやすい
…そんな悩みを感じているなら、
それは“姿勢の意識”ではなく、“支え方の構造”を見直すサインかもしれません。

