昔の日本人は、畳の生活が当たり前で、食事・洗濯・トイレ・あそびなど、日常の中で自然と「しゃがむ姿勢」を繰り返していました。
つまり、しゃがむことは“人間として当たり前の動作”だったのです。
しかし現代では、椅子やソファーの生活、洋式トイレ、靴によるサポートが主流になり、「しゃがむ」という動作そのものが日常から消えました。
結果として、足首・膝・股関節の連動が失われ、「しゃがめない人」が激増しています。
しゃがもうとすると、
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踵が浮く
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バランスが取れない
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太ももや背中が突っ張る
という状態に陥る人は少なくありません。
実はこの“しゃがめない状態”こそが、外反母趾・扁平足など、足の機能低下のスタート地点なのです。
目次
「しゃがめないこと」が足に与える悪影響
しゃがめない=足首の背屈(曲がる動き)が出ていないということ。
足首が硬くなると、重心が後方(踵寄り)にズレます。
その結果、足の指が地面を感じられなくなり、「足指を使わない歩き方」になります。
足のアーチは、指と踵の間でバネのように働く構造。
指を使わない=バネを使わないのと同じで、アーチは次第に崩壊します。
アーチがつぶれると、
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扁平足(内側のアーチが落ちる)
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外反母趾(親指が内側へ倒れ込む)
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モートン病やタコ・魚の目などの足底トラブル
を引き起こす原因になります。
さらに、しゃがめない人は股関節も使えていないため、骨盤が後傾し、背骨が丸まりやすくなります。
これは「上半身が重く、下半身が支えられない姿勢」。
その負担を、足裏や膝で無理やり支える形になるため、足の歪みがどんどん加速していきます。
正しくしゃがめる人の足で何が起きているのか
正しくしゃがめる人は、重心が足の中心(母趾球と小趾球、そして踵)に自然に乗ります。
この三点がバランスよく接地している状態を「トリポッドポジション」と呼びます。
しゃがむ動作の中でこの三点を感じながら重心を落とすと、
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足指が自然に地面をつかむ
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足首がスムーズに曲がる
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膝がブレずに安定する
という連動が起こります。
この一連の動作が「足裏センサー」を再活性化させます。
つまり、足の裏が“地面を感じる力”を取り戻すのです。
また、しゃがみ動作では足首・膝・股関節が連動して荷重を分散します。
これにより、どこか一部の関節に負担が集中せず、関節の潤滑や筋バランスが整うのです。
結果的に、
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足のアーチが自然に再構築される
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歩行時の推進力が上がる
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膝痛・腰痛の予防にもつながる
という全身的な改善が期待できます。
理想の「しゃがみ姿勢」とチェックポイント
では、理想的なしゃがみ方とはどんな姿勢でしょうか?
以下のポイントを意識してみましょう。
✅ 踵が浮かない
→ 足首の可動域(背屈)がしっかりあるサイン。踵が浮く場合は、ふくらはぎやアキレス腱が硬い可能性。
✅ つま先・膝・股関節が一直線
→ 膝が内や外にブレない。これが保てると、股関節・足首の連動がスムーズになります。
✅ 背骨がまっすぐ、骨盤が立っている
→ 腰を丸めてしゃがむと骨盤後傾になる。胸を張るのではなく、背骨をスッと伸ばす意識でOK。
✅ 足指が床を感じ取れる
→ 指で軽く地面を押し返す感覚があると、アーチが働いています。
もしこの姿勢が難しい場合は、無理をせず次の段階的練習を行いましょう。
「しゃがむ練習」で足を変えるセルフエクササイズ
【STEP1】壁しゃがみ(サポートあり)
壁に背を向け、踵を壁につけて立ちます。
手で壁を軽く触れながら、背骨をまっすぐに保ったままゆっくりしゃがみます。
このとき踵が浮かない範囲で止めるのがポイント。
最初は浅くてもOK。ふくらはぎや足首の柔軟性を感じながら、呼吸を止めずに行います。
【STEP2】つま先・踵をつけてしゃがむ練習
足の間を拳1つ分くらい開け、つま先と踵をぴったりつけたまましゃがみます。
足裏全体で床を押し返す感覚を意識しましょう。
慣れてきたら、両手を前に伸ばすと重心バランスが安定します。
【STEP3】足指スイッチトレーニング
しゃがんだ状態で足指を“パー”に広げます。
指の根元(MP関節)から曲げるようにして、地面を軽くつかむ感覚をつくります。
これができると、足裏のセンサーが一気に目覚め、アーチ形成がスムーズになります。
しゃがみエクササイズは、回数よりも感覚重視。
「足指が使えている」「踵が浮かない」「足裏が安定している」
この3つを意識して、1日1分でも続けることが大切です。
まとめ:しゃがみは“足の再教育”
多くの人が足の問題を「筋力不足」と考えがちですが、実際には「使えていない」ことが原因です。
正しくしゃがむだけで、自然と足首・足指・骨盤が連動し、本来の機能を取り戻します。
しゃがみ動作とは、
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足のアーチを“再教育”する運動
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足裏センサーを“再起動”する動作
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重心を正す“姿勢トレーニング”
です。
現代人が忘れてしまったこの“原始の動き”を取り戻すことが、外反母趾・扁平足の根本改善につながります。
まずは「しゃがむ」という日常動作を、もう一度丁寧に見直してみてください。
それが、あなたの足の未来を変える第一歩になります。
ポイントまとめ
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しゃがめない=足首・足指が使えていない
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正しいしゃがみで足裏センサーが働く
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アーチ・重心・骨盤が整う
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足トラブルは“しゃがみ動作”から予防できる
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