出産後、赤ちゃんのお世話に追われる毎日。
その中でも「授乳」の時間は、1日何度も繰り返される大切な時間です。
ただ、そんな授乳中に「背中がガチガチに固まる」「まるで板が入っているみたいに動かない」「肩甲骨の間がズーンと重だるい」と感じていませんか?
これは単なるコリではなく、身体のつながり(筋膜ライン)の中で生まれる連鎖的な緊張が原因となっていることが多いのです。
この記事では、「なぜ背中が固まるのか?」という疑問から、「どうすれば改善できるのか?」まで、整体の視点でわかりやすくお伝えします。
目次
- なぜ背中が“板のように固まる”のか?
- ● 猫背・前かがみ姿勢による負担
- ● 長時間同じ姿勢による筋膜の“固着”
- 背中だけの問題じゃない?体はつながっている
- ● 肩・腕の使い方が背中に影響
- ● 骨盤〜背中までつながる“身体のライン”
- ストレッチやマッサージで変わらない理由
- ● 表面的なアプローチでは改善しにくい
- 整体でできること|身体のつながりを整える
- ● 全身の連動を取り戻す施術
- 産後ママが自宅でできる!やさしいセルフケア
- ● 授乳後の「バンザイ+肩甲骨引き寄せ体操」
- ● 壁を使った「背骨の姿勢リセット法」
- 最後に|がんばりすぎるママこそ、身体の声を聞いて
- 🎈自分の身体を労わることは、赤ちゃんにとっても一番のプレゼントです。
なぜ背中が“板のように固まる”のか?
● 猫背・前かがみ姿勢による負担
授乳時はどうしても、赤ちゃんの顔を覗き込んだり、しっかり支えようとすることで自然と猫背・前かがみの姿勢になりやすいです。
特に多いのが、以下の姿勢パターンです:
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背中を丸めたまま肘や腕だけで支える
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肩が内巻きになり胸が閉じる
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首が前に突き出し、あごが下がっている
こうした姿勢を繰り返していると、背中(特に肩甲骨の間)や胸椎(背骨の上部)まわりの筋肉に常に緊張がかかり、動かなくなっていきます。
● 長時間同じ姿勢による筋膜の“固着”
さらに、授乳は1回あたり10〜30分。それを1日に数回繰り返すことにより、筋肉や筋膜が「固まりやすい形」でロックされてしまうのです。
これは、パソコン作業やデスクワークと似ていて、「動かないこと」が筋肉や筋膜の癒着を生み出します。
その結果、背中が「板のように固まっている」と感じてしまうのです。
背中だけの問題じゃない?体はつながっている
● 肩・腕の使い方が背中に影響
背中が固まっているからといって、「背中の筋肉だけ」が悪いわけではありません。
多くの場合、腕や肩・胸・骨盤の使い方が背中の筋肉に負担をかけていることがほとんどです。
たとえば…
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肩が巻き込むことで、肩甲骨が外転(外に開く)し、背中の筋肉(菱形筋や僧帽筋中部)が引き伸ばされて緊張
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腕で赤ちゃんを支えるために、前鋸筋や小胸筋が過緊張 → 肩甲骨の可動性が低下
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骨盤が後傾し、体幹の安定性が失われることで、胸椎が過度に緊張
● 骨盤〜背中までつながる“身体のライン”
背中の筋肉は、実は腰〜骨盤〜脚の筋肉ともつながっています。
たとえば、骨盤が後ろに倒れている(後傾)と、それに連動して胸椎が丸まり、背中の筋肉が常に張り詰めた状態に。
また、体幹を支える筋肉が弱っていると、背中や肩で無理に支えることになり、結果的に「背中が抜けない」「ガチガチになる」といった症状へとつながってしまいます。
ストレッチやマッサージで変わらない理由
● 表面的なアプローチでは改善しにくい
「ストレッチしても、マッサージしても、結局すぐに戻ってしまう」
そんな経験、ありませんか?
これは、固まりの根本が表層ではなく、深層や関節の可動性にあるためです。
背中の筋肉が固くなっているように見えても、実際には:
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胸椎(背骨の中部)の可動性が失われている
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肩甲骨が前に引っ張られて固定されている
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骨盤が傾いて体幹バランスが崩れている
このように「原因が他の部位にある」ため、表面的なマッサージだけでは十分な改善につながらないのです。
整体でできること|身体のつながりを整える
● 全身の連動を取り戻す施術
当院では、授乳期のママの不調に対して、「筋肉のつながり」や「関節の可動性」に着目したアプローチを行っています。
主な施術内容は以下の通りです:
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胸椎や肋骨の可動性を回復するソフトなモビライゼーション
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肩甲骨周囲の筋膜リリース(前鋸筋・小胸筋・菱形筋など)
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骨盤と背骨の連動性を整えるアプローチ
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体幹が自然に支えられるように導く「呼吸+姿勢再教育」
「背中が固まっている」と感じている人ほど、実際には別の場所の動きが失われていることが多く、それを的確に見極めて調整していくことで、根本改善を目指します。
産後ママが自宅でできる!やさしいセルフケア
● 授乳後の「バンザイ+肩甲骨引き寄せ体操」
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壁の前に立ち、両手をバンザイ(腕を耳につけるように)
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肩甲骨を背中で寄せるように意識しながら、肘をゆっくり下げる
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吸うときに腕を持ち上げ、吐くときに肩甲骨を寄せながら肘を下げる
→ 5〜10回繰り返すと、肩甲骨と胸椎がリセットされ、背中がほぐれます
● 壁を使った「背骨の姿勢リセット法」
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壁に背中・お尻・後頭部をつけて立つ
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腰に手のひら1枚分くらいの隙間を作り、バランスを整える
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深呼吸しながら、背中全体で壁を感じる
→ 姿勢の感覚を整える練習になります。1日2〜3回でも効果的!
最後に|がんばりすぎるママこそ、身体の声を聞いて
授乳期は、赤ちゃんのために無理をしがちな時期です。
でも、ママの身体がつらくなってしまっては、本当に大切な育児の時間が苦痛になってしまいます。
背中が「板のように固まる」と感じるのは、身体が発しているSOSのサインかもしれません。
セルフケアだけで改善しない、どう動かせばいいかわからない…という方は、ぜひ専門の整体で全身のつながりを整えてみてください。
🎈自分の身体を労わることは、赤ちゃんにとっても一番のプレゼントです。
無理を抱え込まず、お気軽にご相談ください。

