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こんな症状は整形外科案件?それとも筋肉由来?
腰からお尻、そして太もも裏にかけての張りや痛みは、多くの方が一度は経験したことのある不快な症状です。しかし、その原因は人によって異なり、整形外科での治療が必要なケースもあれば、筋肉や姿勢のバランスを整えるだけで改善する場合もあります。
この記事では、整形外科に行く前に、自分の症状がどのタイプかを見極めるためのポイントと、自宅でできるセルフケアを紹介します。
【神経性の痛み】ヘルニアや坐骨神経痛の特徴
神経性の痛みは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛など、神経が圧迫・刺激されることで起こります。
特徴:
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お尻〜太もも裏〜ふくらはぎ〜足先まで、一本線状に痛み・しびれが広がる
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動かすと悪化しやすい(例:前かがみや座っていると痛い)
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夜間や安静時でもズキズキと痛むことがある
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足の感覚が鈍くなる、力が入りづらい
簡易セルフチェック:
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仰向けで片脚を伸ばしたままゆっくり上げていき、60度以下で太もも裏やふくらはぎに強い痛み・しびれが出る場合(SLRテスト陽性)
このような症状がある場合は、早めに整形外科の受診をおすすめします。
【筋・筋膜性の痛み】トリガーポイントや使いすぎが原因に
神経ではなく、筋肉や筋膜が原因で痛みや張りが出るケースも非常に多いです。
特徴:
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お尻や太もも裏の一部がピンポイントで痛い
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押すと「ズーン」と響くような重だるさがある
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動かすと楽になることもある(例:歩くと楽、温めると楽)
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姿勢や同じ動作の繰り返しで悪化しやすい
よく関連する筋肉:
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大臀筋・中臀筋(お尻)
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ハムストリングス(太もも裏)
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梨状筋(坐骨神経の通り道)
【見分ける方法】動作・姿勢・セルフ検査のコツ
① 姿勢観察:
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鏡で左右の骨盤の高さや肩の傾きをチェック
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O脚・X脚や猫背がないか確認
② 動作チェック:
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前屈・後屈・片足立ちで痛みが出る動作は?
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座っていて痛い or 立っていて痛い? → 坐骨神経痛のヒントに
③ 圧痛・トリガーポイント確認:
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お尻や太もも裏を指で押してみて、ズーンと響くポイントがあるか
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圧して気持ちいいなら筋肉由来の可能性大
④ 簡単なSLRテスト:
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仰向けで片脚を上げていき、60度以下でふくらはぎにかけての痛みがある場合は坐骨神経痛の可能性
【セルフケア】症状別ストレッチと筋膜リリース方法
🔹 梨状筋ストレッチ(坐骨神経ケア)
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仰向けで膝を立てる
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片脚をもう一方の膝にかけて「4の字」を作る
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下の足を両手で抱えて胸に引き寄せる → お尻が伸びる感覚を30秒×左右2〜3セット
🔹 ハムストリングスストレッチ
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座って片脚を前に伸ばす
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つま先を手でつかみにいく → 太もも裏が伸びるのを感じながら30秒
🔹 テニスボールでトリガーポイントリリース
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床に仰向けになり、お尻や太もも裏にテニスボールを当てる
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圧痛点にボールをあてて30秒ほど静止 or 転がす
🔹 骨盤ワイパー体操(骨盤調整)
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仰向けで両膝を立てる
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両膝を左右にゆらゆら倒す(10〜20回) → 骨盤の可動性改善に
【まとめ】専門家に相談するタイミングとは?
次のような症状がある場合は、自己判断せず整形外科や専門家に相談しましょう。
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安静にしていても強い痛みやしびれがある
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足に力が入らない、感覚が鈍い
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排尿・排便に違和感がある
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セルフケアを2週間以上続けても改善がない
それ以外の軽度な張りや筋肉の硬さであれば、自宅でのストレッチや筋膜リリースで改善が期待できます。自分の体の状態を理解し、正しく対処することで、つらい症状を未然に防ぎましょう。